やけあ〜と(Yake-art)

Yukko




第2回 < 大惨事 >



……………2〜3時間ほど眠ってしまったのかしら。

うたた寝から目覚めた時、最初は『目がなんかヘン』

と思いました。何度か目を擦るものの何かいつもと景

色が違うのです。電気とTVは点いたままなのにいつ

もより暗くクリアに見えない…。目の前がチラチラし

何か悪い目の病気にでもなったのかしらと本気で思い

ました。

上半身を起こした時、「ゴホッ!」

それが煙であると理解しました。

『でもなんで煙が??? 

 いったいどこから…?』

そう思い、煙が流れてくる元をたどったら…!



部屋の隅に置いてあるベッド傍の壁がメ〜ラメ〜ラと

ゆっくり燃えていたのです。ゆっくりではあるけれど

炎は天井近くまで達していました。

…暫く見つめていました。

火の気の無い場所だったので何故燃えているのかその

理由がさっぱり分からなかったのです。次の瞬間

『大変…火事ダ〜!!!

 近所まで燃えたらどうしよう…』

素早く立ち上がり、

でもその場に暫し立ち尽くし、

どうすれば一番良いかを考えました。

『1人でバケツの水を3〜4杯ほど掛ければ消えるだ

 ろう…多分。でも1人より2人がいいわ!』



母屋に寝ているもう1人の住人を起こしに急いで階段

を走り下りました。

2人で火事を確認後、私は“119”するため母屋に

戻り電話を。自分を落ち着かせ、ゆっくりハッキリと

番地を告げた後、急いで現場へ〜!



どういうわけかもう1人の姿はなく、

炎は先ほどとは様子がまるで違い、何かに怒っている

かのような勢いで天井を這っていました。

もう1人の住人の名を呼ぶも返事はナシ…。

急いで階段下の台所に行き、水道の蛇口を勢いよく出

しっぱなしにし、食器の洗い桶に水を入れ、何度も何

度も階段を往復し部屋に投げ入れました。

無駄な抵抗なのは百も承知でしたが、

『火をなんとか食い止めたい! 

 お願いだから母屋まで来ないで〜!』

と思うばかり。

『消防車遅いな…早く来て! 全部燃えるぅ〜!』



もうこの勢いの炎に太刀打ちは無理と観念し、大事な

モノだけでも取ろうと部屋に入りかけましたが、なん

とも熱くて熱くてとても不可能でした。でも諦めきれ

ずもう1回トライしましたが、今度はどす黒い色に変

わった煙が渦巻きながら襲ってきたのです。

「ゴホゴホゲホッ!」

同時にガラスの割れる音とその破片が勢いよく飛んで

きました。

炎は“パチパチパチ…”から“パキパキバキ〜”に変

わり、身の危険を感じ退かざるを得ませんでした。

炎はドアとは対角線上の向こう側。部屋の真ん中あた

りのモノをサッと持ってくるぐらい出来るだろうと思

いましたが、まったく無理でした…。

『火事って凄い〜!

 ビル火災で沢山の人が亡くなるのもわかるナ…』

その時、身をもってその恐ろしさが納得出来たのでし

た。



ようやく消防車も到着。消防署の人が家族は無事かを

私に確認。もう1人の住人は既に外におり、あと犬だ

けが家の中にまだいたので急いで救出に〜!

吠えもせず、ポツンと突っ立っていました。

逃げないようしっかりと首輪を掴み、急いで外に出ま

した。



本来ならまだ床の中だろう近所の人たちが不安と興奮

の面持ちで、家の周りのあちこちから消火活動を見つ

めていました。

私は道端に座り、犬を強く抱きしめて時々周りを見渡

していました。

お隣の奥さんが、寒かろうと暖かそうな綿入れ半纏を

私ともう1人の住人に着せてくださいました。

それが1番最初の、まさに暖か〜い援助でした。


コロちゃん コロちゃん コロちゃん
コロちゃん コロちゃん  
「すぐ傍の火事に微動だにしなかったコロちゃん。
勇敢なのか、鈍感なのか…。」

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