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「用の器」無口な片口をつくる

北窗閑人 竹端 章
さつまいもとベーコンの炊いたん
さつまいもとベーコンの炊いたん
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「おばんざい」は「お晩菜」。
なぜ「おばんさい」と呼ばないのか、
語呂が「万歳」に通じるからという。
ケの食の代表格であるおばんざいに
ちょっとしたハレの装いを凝らそうという
京都人の知恵かもしれない。

決して贅沢な食材は使ってないが
そのぶんだけ手を抜かずに毎日食べても
飽きない工夫とこだわりは
今や京都ブランドのひとつにもなっている。

ここで少し苦言を呈すると
おばんざいによく登場する京野菜の高騰ぶりがある。
確かにたくさんは作ってない
とは言うもののチト高すぎるではないか!

毎日代わり映えのしない食材が続いても
気持ちを豊かにする食卓を演出するのに
欠かせないのがワキである器だ。
普段使いのうつわにこそ気に入ったものを使いたい。
普段のちょとしたものでも味と栄養だけでなく
盛り付けや組み合わせに工夫が欲しいものだ。

閑人が好きな器のひとつに片口がある。
初めての個展のテーマも「片口百態」であった。
もともと酒や醤油を甕や瓶から移し変えるために
使われていたどこの家にもあった道具だ。


片口いろいろ
片口いろいろ

片口の野草たち
片口の野草たち
トクサを植える
トクサを植える

三島片口
三島片口
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口の造形や大きさ、土や釉薬の工夫で
様々な表情豊かな器に変身する。
おばんざいを盛るのにこれほど
ぴったりくる器は他にない。
只、1つの条件がある。
それは口の表情が饒舌であってはならないこと。
あくまでも寡黙な口、閑人の理想とする片口である。
また寡黙な片口は用途を選ばない。
山野草や水草たちのための鉢などに使えば
慌ただしい生活に季節をさりげなく取り込める。

轆轤で器を轢いていると無意識に
口をつけてしまっている片口病は今も治っていない。

無口な片口づくりはしばらく続きそうだ。



竹端 章 HP「陶工房 酔侯廬」
http://www1.kcn.ne.jp/~takebata/


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2003年4月 第4回 二人展後談「気は使い手が入れる」
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