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「古物礼讃」小さな古時計

北窗閑人 竹端 章
1904年製J.W.BENSON
1904年製
J.W.BENSON

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頭が古いのかとにかく古いものが好きだ。
15年程前、ロンドンで買ったのをきっかけに
現在手巻きの腕時計ばかり十数個になった。
コンディションの良いものは少なく
修理も思うにまかせない。
最初に入手したものもゼンマイが切れ、
当時京都に一軒しかなかった修理店に持ち込み、
なんとか修復、今も機嫌よく動いている。
製造は1904年、ほぼ100年経つが、
時を刻むやさしい音は他では味わえない。

アンティークリストウォッチ
往時は粋人がしていたものか?
デザインは実用的でシンプル

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ほぼ同形の3品は1920年〜1940年の
もので全て完動、文字盤と
ベルトの細さが気に入っている。
日本で入手したフリーメイソンの
文字盤をもつ稀少品も魅力的だ。
おそらくリメイクされたものだと思うが
文字盤のグラフィックが意味深。

フリーメイソン
フリーメイソンの会員の証?
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フリーメイソンという言葉を聞いて、
どんなイメージを思い浮かべるだろうか?
陰謀論に興味がある人なら、
なにやらダーティーなイメージ
───歴史的事件の裏に暗躍し、
国際的な陰謀を背後で操る
秘密政治結社のようなものを
想像してしまうかもしれない。

確かにフリーメイソンは、
南北アメリカからヨーロッパ、アフリカ、
オーストラリア、さらには日本を含めた
アジア各国に支部を持つ巨大な団体、
いや世界的な組織である。
会員数は全世界で600万人を
超えるといわれている。
フリーメイソンの会員(フリーメイソンリー)に
知事や判事、大企業家、学者など政治的・社会的・
経済的影響力の大きい人物が多々いるという。

その起源は、いろいろな説があるが、
最もリアリティのあるのが
中世の石工職人組合(ギルド)起源説である。
地中海を中央の海とするヨーロッパ、
小アジア、北アフリカ地域では、
石工はきわめて重要な職業であった。
こうした高度の「王者の技術」をもった
職業集団は、中世から近世にかけて
所有している知識・技術の温存と
仲間の連帯を目的とした
同業組合(ギルド)を形成していった。


時計の話に戻るが
12時の位置にあるのがそのシンボル。
上向き三角形(コンパス)と
下向き三角形(直角定規)の結合は
ダビデの星を形成し、男と女、陽と陰、
天と地、精神と物質など
世界のニ元性の融和を表現している。
個々の建築道具は人間の美徳と対応し、
コンパスは真理、直角定規は道徳、
鏝(こて)は結束と友愛、
槌は知識や知恵を象徴している。

フリーメイソンのシンボル
フリーメイソンのシンボル

なにやら神秘的で怪しいかぎりだが
魅力的ではないか。



失敗談を1つ。

昨年ベトナムに旅行した際、ホーチミンで手に入れたユニバーサルの時代物。
デザインも良く完動品、しかも安い。
渡航前からベトナムは危ないと聞いていたのだが
贋物でもいいや、と買ってしまった。
案の定しばらくして1つが故障、
修理に出したところ開けてビックリ。
ムーブメントの半分程がブリキ細工、
しかしこれでよく動いていたものだと逆に感服!
ベトナムの時計職人はスゴイ!

見るからに本物!
見るからに本物!
見事??な手仕事
見事??な手仕事
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古いものが語りかけてくるメッセージはおもしろい、
しばらく骨董趣味はやめられそうにない。

付け加えておくが閑人はフリーメイソンには入会しておりません。

次月はロンドンとバルセロナの
マーケットから投稿予定。


竹端 章 HP「陶工房 酔侯廬」
http://www1.kcn.ne.jp/~takebata/


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2003年4月 第4回 二人展後談「気は使い手が入れる」
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