奮闘記 in KOLKATA




コルカタでつく餅は?
美味しいのです。
それもその筈、年末恒例の日本人会「餅つき大会」の食材は、
日本総領事館の人たちが調達する本物ばかりだから。
もち米・片栗粉・きな粉・醤油・餡・味噌・海苔・漬物は日本から、
豚汁の豚や焼き鳥のチキンはバンコクからといった具合で、
野菜類だけがコルカタのようだ。
私にとっては2年ぶりの“つきたて餅”や豚汁は、まことに癒しの味なり。
在住の他の人たちにとってもそれはそれは楽しみな和の味三昧なのであろう。
好物のウイスキーを持参してほろ酔い気味で太っ腹になるおじさま方もいれば、
きな粉餅や餡もちをこの時ばかりとガッツク奥様もいたり、
日本色満開の和やかな集いである。
ボランティア仲間も大勢ゲスト参加して、餅を丸める係りを分担、
思わぬ好機に恵まれみんな大感激。
ジャイカの活動で、北部カリンポンで日本米などの生産指導をしている方が、
今年も米や味噌を販売され、もちろん私もゲット。
寿司飯はこれでなくてはね。
帰国する社長さんからは、オークションにかけようと持ち込んだ電動ミシンを、
カリガート(死を待つ人の家)にご寄贈いただき、
運転手に運搬まで指示して下さって感謝感謝。


杵を持つ総領事、元応援団長だったとか

焼き鳥も餅つき大会の定番、
「我ながら旨いよ」

インドをどう知るか、人さまざま
大半の駐在の方々は、マザー・テレサの様々な施設に
世界からボランティアが集まっていることは知っていても、
マザーハウス以外の現場をあまりご存じではない。
バスやオートで街を移動されることもあまりない。
派遣駐在者や外務省関係の方達には、身の安全が何より大事であるし、
そのあたりの事情は充分理解できる。
そんな訳で、ある大手企業出向で技術指導に来ている方が、
児童養護施設レインボー・ホームに関心をお持ちいただき、
何か役に立てればと訪問して下さった上、
カリガートも見学したいとのお申し出に少し驚いた。
コルカタから自動車で3時間の工場に勤務するだけで、
インドもコルカタも何も知らなかったと。
そして、餅つき大会でご一緒した折には、いずれまとまった休みが取れれば、
ぜひボランティア体験したいからよろしくと。
嬉しかった。ビジネスがらみのインド理解も一つ、
そして社会の底辺で生きる人々の喜び・悲しみに触れるのも又一つ。
思いを深めていただけるよう、精いっぱいご案内したい。


食療法その後
前々号で、カリガートの患者さんの食事療法をご紹介した。
半身不随、言語障害、肝機能障害、黄疸・糖尿の彼に特別食を作り始めて4ヶ月以上になる。
昼・夜の2食分を毎日となるとメニュー案も尽きてきて、試したのが和風献立。
インド版高野豆腐と言える大豆加工食品の細かな粒をゆでてもどし、
小芋と炊いて味噌・醤油で味付けした“肉味噌もどき”の煮物が
ヒットしたのに意を強くして、今ではほぼ何でもあり状態である。
干椎茸、いりこ、切り干し大根などのとっておき食材を活かし、
豊富な地元野菜とともに醤油・米酢・味噌・ゴマで調味する。
隠し味に砂糖が必要ならダイエットシュガー。
工夫すればオイルもスパイスも使わずに作れる日本食は、療法食にはもってこいなのだ。
彼にとっては初めての食材、初めての味付けであろうが、ともかく食べてくれる。
美味しいのか、まずくてもお腹が減るから食べているのかは分からない。
言葉がまだ戻らないから。
全く食べなかったほうれん草や人参も、今では普通に食べている。
食事会で作ったチラシ寿司も、餅つき大会でもらった“大根おろし餅”も、
大豆ハンバーグも、みんな平らげてくれると“やったー”とほくそ笑む。
寒くなったから味噌汁の登場も頻繁になろう。
ただし、近々再検査があってお墨付きが出れば、
少しずつ普通食に戻してもらいたいとは私の希望。
年が明ければ学校の試験や何やらで、してあげたいけど時間の余裕がないのである。
祈るしかない。


以前の献立例、左下はビーツのペースト。
見た目よりどれも少量です。


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