奮闘記 in KOLKATA




いつもにも増してざわめいて
10月3日から始まる最大の祭りドゥルガプジャのパンダル(仮設神殿)建設は、
毎度ながら間際なのに遅々としている。
雨期の終盤になって雨量の挽回をしてあげようとするお天道様の配慮が、
工事をさらに遅れさせている。
それでも“No problem”、“なんとかなるさ”である。
職人は現場に泊まり込んで精出す。
他所で進行している“神さま像”の搬入はいつもプジャの直前になる。
パンダルを見て廻る際に着る衣装や装身具一式を、みんなそわそわと揃え始めている。
夕方の街は、晴れ着の買出しに繰り出す人々で混雑のきわみ、身動きできなくなる。
テイラーもこの時期大忙し。
街に漂うせわしげな動きも、雑踏も、日本のお正月前の風景といえようか。



まだ骨組みくらいのパンダル


今年は、苦手なこの祭りを避けて帰省する。
ベンガリーの授業に通っている大学も3週間の休みに入るから。
他のクラスメートより“できない生徒”は、せめて出席率でカバーしなければ。
Student Visaを取得するためとはいえ昨年から始めたベンガリーの勉強、
今年はほんとに四苦八苦であえいでいる。

英語があまり得手でない先生の授業がすべてベンガリーなのである。
低学年の子供には定番の“タゴールの文章や詩”が、
テキストとして一応あるものの、それも使ったり使わなかったり。
ほとんどが口頭でのやりとりと板書。
その字が達筆(?)なものだから、慣れるまで随分あせった。
質問の意味さえ分からぬことも度々だった。
以前通った学校のクラスでは懇切丁寧なプリントを沢山配ってくれたのに、
それも殆どない。やっと耳に慣れ、目に慣れしてきても、
新しいボキャブラリーの記憶が追いつかない。

45歳にしては若く見える先生、絵がうまくて、
理解しづらいインドならではの道具や植物・風景をイラストで説明してくれる。
同じようにノートに書けなくても、確かにイメージはつかめるし、小さな救いである。
コルカタ在住十数年のご夫婦 (ご主人がカナダ、奥さんが韓国人) がいて、
もう充分ベンガリーで会話できそうなのに、このクラスに通っている。
10歳、8歳の二人の子供と一緒に。
そのお姉ちゃんが何とも愛くるしくて頭もいい。
ベンガリー歴も長いから、おぼつかない日本人おばちゃんに丁寧に教えてくれる。
後ろの机の私に振り返って「この単語の意味はね、発音は……だよ」
(あぁー、私もこの子ぐらい頭が冴えた頃もあったのに……)

1月の年度末試験にパスしなければ、上級クラスに進めない。
のちのちの心の平安のためにも(パスすれば恐らく2年のVisa延長がOK)、
ここは何としても踏ん張らなくては。
励みは、カリガートの患者さんと少し会話が進む喜びか。
自分の mother tongue をよそ者の相手が話すと、
どうもそれだけで何だか許せるようだ。

今気掛かりな患者さんが居て、わずかでもコルカタを離れるのはつらい。
自分が居なくても“No problem”と分かっていても。
良き経過を祈りつつ祈りつつ、戻る日までどうぞ…。



▲このページのTOPへ