奮闘記 in KOLKATA




Centenary of Mother Teresa's Birth
マザー・テレサの誕生日が8月26日、
今年は生誕100周年にあたり世界各地で記念行事が催されている。
シンポジウムや映画祭に特別のミサなど、コルカタでの行事も目白押し。
集まるボランティアも例年にまして多く、7月下旬ですでに250人近く居るようだ。
マザーのお墓のある本部・マザーハウスでは、
ボランティアのための International Mass が7/23の早朝にあり、
ボランティア相互の親睦を深める“学祭”もどきのイベントも
スケールアップして大きな教会で催された。
私はミサだけ参加したが、グプタ家にステイ中のナース・由美子さんは
イベントでの日本人による出し物「よさこいソーラン踊り」の演技練習に毎日参加して、
本番を終えたあとも、しばし心地よい脱力感に浸っていたようだ。

市内にある Missionaries of Charity の施設のうち、
ボランティアを受け入れている施設が6ヶ所あるのだが、
この過密時期ともなると、希望する施設へのパスがなかなか貰えない。
マザーはよく、
You will find Kolkata all over the world if you have the eyes to see. と言って、
コルカタに来なくても貴方の国のコルカタを見つけて愛する喜びを分かち合いなさいと諭している。
これは、
「この世の最大の不幸は、貧しさや病ではありません。
 だれからも自分は必要とされていない、と感じることです。」
とも関連して、
物質的貧しさよりももっと不幸なのは心の貧しさであるから、
貴方がたの国にはその貧しさに病んでいる人が沢山いるでしょう、その人達に優しい目を向け、
できれば行動で愛を伝えてあげて下さい、というメッセージなのだ。
とはいえ、あらゆる貧しさの極限があり、人の生と死に寄り添うことは
どういうことかを考えさせられるここコルカタに、多くのボランティアが集うのも、
気づきのステップとして意味あることなのだろう。

先日、日本から理学療法士の方が息子さんと来られ、ここグプタ家に一週間ステイして、
ニルマル・ヒルダイ「死を待つ人の家」でのボランティア経験もされた。
その最終日に、恒例となっている farewell song を見送るみんなから歌ってもらったあと、
彼は英語でとてもいいスピーチをした。

「ここでの経験を通して、“愛することとは”を学びました。
 日頃忙しくて愛する心で人に仕えることを忘れかけていたことに気付かされました。
 皆さんと一緒にボランティアできてとても幸せでした。……」

言葉だけでなく、笑顔を絶やさぬ表情に彼の優しさは滲み出ていたし、
仕事ぶりも丁寧であったから、スピーチのあと白人ボランティアからも
「貴方のような方に会えて光栄でした」と握手を求められていた。
「Sumikoの知合いなのか」と聞かれ、「まぁーそんな感じ」と答えたが、無性に嬉しかった。
日本人の株が上ったかなと。

ニルマル・ヒルダイに運び込まれる患者さんの悲惨さは相も変わらずである。
満員の列車から振り落とされ轢かれたらしく、右足と左腕を根元からなくした女性・クリシュナ。
公立の病院で治療を受けていたが、治療費を払えなくなり追い出されニルマル・ヒルダイへ。
切断口は化膿し、臀部の床ずれも悪化していて、自力では体位も変えられない。
家族のことを聞くとやっと嬉しそうな顔で答え、家に帰りたいと。
床ずれから感染症を併発せず治ったとしても、
よほどハードなリハビリや装具の助けなしには家に帰るのは無理だろう。

目と鼻と耳、そして腕の傷口から這い出るウジ虫を2時間近く取り続けた若い女性。
氏名不詳、食べ物を受け付けず経鼻栄養を入れているが、
頭部内がどう化膿しているのか見当もつかず
まだレントゲン検査もしていず投薬と消毒程度。危ない気がする。
彼女を夜間に運びこんだコルカタポリスは、マザーハウスに引取りを懇願し、
マザーハウスがニルマル・ヒルダイに行くよう指示したという。
路上で見つけられた彼女や、前述のクリシュナのような貧しい人が、
唯一受け入れてもらえる最後の場所なのだ、ニルマル・ヒルダイは。
この現実は、マザーが活動を始めた頃から変わらない。

マザー・テレサに関するあらゆる情報は、
Missionaries of Charity による下記公式サイトでご覧になれます。
[ Mother Teresa Of Calcutta Center ] http://www.motherteresa.org/layout.html




メトロ駅にそびえるマザー・テレサのモザイクタイル壁画

ニルマル・ヒルダイで、イタリア人ナースのテレサ(中央)と
日本人医学生・ドクター・ナース


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