見た見たWhite Tiger

11月15日晴れ、観光名所には縁のなかった私が、
ボランティアを休んで動物園へ行った。
Rainbow Homeの子供5人(8〜16歳)を選抜して
スケッチに連れ出すことにしたためだ。
引率の大人分を含めて8個のランチボックスを朝作りながら、
“こんな遠足気分で浮き浮きするの何年ぶりだろう”と一人鼻歌も出たりして。
ゲートで待ち合わせ、一人10ルピー(25円)を払って園内へ。
土曜日のせいか学校の遠足らしきグループや家族づれもいて、
いずこも同じ動物園風景。
違うのはインドらしい(?)どこか荒れ果てた感じというか、
佇まいに色気や装飾性がない点。
まずはひと通り一巡してから何を描くか決めることにした。
私の意中はベンガル虎、それも白い虎だけなのだが、なかなか出くわさない。
やっとBengal tigerのプレートがかかった堀のある大きな一画を見つけたが、
茫々の草だけで虎のいる気配がない。
私の落胆を知らぬげに子供達は、孔雀・インドワニ、
何でもかでも目を凝らして見ている。
あとで細かに思い出せるように写真を沢山撮っておいてと催促される。
あきらめきれない私は、係員にwhite tigerは居ないのかと聞いた。
インドで毎度のことながら、
方角を指さして首を少し傾げ「あっち」というだけ。
「あっち」へ行き又聞く、そして又「あっち」、
三度目の正直でやっと虎の檻にたどり着く。


動物園のサイトでみつけた white tiger

Royalの冠がつく虎にしては貧相なコンクリートの小さな住まい、
オレンジがかった茶色に黒の縞のBengal tigerと、
地が白にチョコ色縞のwhite tigerが一緒に入れられていた。
あとで聞くと、さきほどの自然環境に近い野外放飼場では、
心無い入園者からの投石で動物が頻繁に傷ついたため、
この小さな檻に移しかえられたとか。
すぐ間近なのに二重の鉄柵と格子で隔てているから、
その精悍な容姿を拝もうにもすっきりとはいかない。
Bengal tigerは幅4メートルほどの格子沿いを行ったり来たりしているし、
white tigerは長々とのびているし、シャッターチャンスがまるでない。
white tigerのブルーの目とピンクの鼻とやらも、しかと確認できず。
あまり劇的な対面とはいかなかった。
インドの“national animal”であるBengal tigerから
突然変異で生まれたwhite tiger、どうやら夜行性で、
人間の6倍もの視力で獲物を夕暮れ時から狙うらしい。
檻の中で昼間寝そべる姿はただの大きな猫だ。
違法に狩猟する人間どもから守られ、
こうして見世物になるのも面倒なこったぁー、と嘆いているかも。


やっと起き上がって歩き出したwhite tiger

“大きくて優しげ”がお気に入り?

一巡してから次は腹ごしらえ。
池のそばにベンチのあるテラスを見つけてランチタイム。
炒めた玉ねぎ入り卵焼きのサンドは好評だったが、
マンゴージャムのサンドは3人も残していた。
Rainbow Homeでボランティアとしてステイしてくれている亮子さんの話では、
食べ慣れないからだと思うと。
(そうかぁー、日本へのお土産には喜ばれるんだけどなぁー)
いつも感心するのは、インド人のボトルの水を飲む巧みさ。
2リッター入りの大きなボトルでも、子供達は思い切り顔を上向きにして、
ボトルに口を付けずに飲む。コップ不要なのだ。
屋台やオフィス、行く先々で見かけるこのボトル、
相当に使い込んでいて、入っている水が浄化水かどうかは疑わしい。
売っているミネラルウォーターだけを飲むのは外人くらいですからね。


ランチタイム

さて、ランチの荷物が片付いたところで、何を写生したいかを決めることに。
あれもこれも写真に撮っていたが結局全員がキリンと象さんを描きたいという。
ゆったり大らかな感じがいいらしい。
それと、以前ボランティア仲間がホームで折り紙を教えてくれて、
幾つも幾つも折ったのがキリンと象だったから、
親しみがあったせいかもしれない。
約50分ずつ、それぞれの囲いの前でスケッチングした。
絵を描くのが好きな子供達なのだが、これまではもっぱら模写に偏っていた。
ヒンドゥーの神様の写真や外国の絵本を見て
気に入るとすぐにその通り見事に描いてしまう。
学校以外は外に出る機会も少なかったため
観察する対象が限られていたせいもあろう。
だから、自然や動物なんでも色々を自分の目で観察しながら、
自由に創作して欲しい、まずは動物園へ、となった次第である。
忠実に写し取ろうとする子もいれば、
自分なりにデフォルメする子もいてなかなか面白い。
助言など無用に思えたし、助言する力も私にはないし、
好き勝手に描くさまを見ているだけで楽しかった。
子供達の絵を立ち止まって覗き込んでいる人たちを見るのも。
色づけは帰ってから。
いずれ他の工作品と合わせ展覧の機会を設ける予定である。


大木とキリンの構図が子供達は気に入って

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