またまたショッピングモール

デカーイ! 噂のショッピングモールは噂以上だった。
2008年1月にオープンした、東インド最大のショッピングモール
「South City Mall」は、コルカタの“天と地”の
いわば天のシンボル然とした威容である。
中心部のショッピングモールがマイカー族には不便であるのに比し、
1400台収容の地下パーキングも完備して
富裕層の足を南部に向かわせるという訳だ。
私は片道10円のバスでこの夏何度か行った。
避暑とウインドーショッピングと、地下の大型スーパーの品定めを楽しみに。
両手を広げたような建物の中央部は、
5階まで筒状の吹き抜けになっていて、
その両側にあるエスカレーターで昇り降りしながら、
両腕部にある専門店を見て回るという仕掛け。
国内一流ブランド店はもとより、ナイキやリーボック、
スワロフスキーといった専門店が134も入っているらしいが、
antiブランド派の私が長居する場所は限られている。
洒落た文具・雑貨の店か、最上階のfood court(食道街)、
それに地下のスーパーぐらい。
シネコン(6スクリーン)もまだトライしていない。


South City Mallの外観

ボランティア仲間と吹き抜けのゆったりソファに腰掛けて
人・人・人ウォッチングしたり、カフェラテで2時間だべったり、
ホテル並み(いや、それ以上)の立派なトイレに感心したり……。
自分のコルカタ生活には不釣り合いと思いつつ、ささやかな贅沢時間かな。


South City Mall中央の吹き抜け
(中は撮影禁止、ガードマンの目をかすめて撮る)

キューピーマヨネーズ発見!

自炊派の私が目を凝らし探検するのは、地下の巨大スーパーSpencer、
家電製品から有機食材まで、恐らく他で探せないもの全て揃っていそう。
但し生鮮品は期待薄、露天の市場にはかなわない。
魚が冷蔵ショーケースに並んでいたり、
ポークのハムやソーセージが量り売りされているのはここぐらいだろう、
美味しそうには見えないが。
街ではザラメの砂糖しか売ってないのに、普通の粉砂糖も見つけてゲット。
パンの種類もそこそこ豊富。
パン需要の歴史も浅いし、ベーカリーの技術も磨かれてないから、
日本でならアチコチにある“美味しいパン屋”は望むほうが無理というもの。
Spencerのパンコーナーも、インドでは珍しいなという程度。
ビックリは、広〜い店内の片隅に見つけた小さな棚、
日本でお馴染みのものが並んでいるのである。
キューピーマヨネーズ、かどやの純正ごま油、タマノイすしのこ、
ハウスのジャワカレー(ルウ)、それぞれ約3倍の値段である。
思わず笑ってしまった。これは明らかに日本人向けである。
インド人の食習慣には馴染まないものばかりだから。
総領事館関係者や日本企業駐在員とその家族など
在コルカタ邦人は多めに見積もっても300人弱、
コルカタの都市圏人口1400万人の微々たる比率、
その僅かの邦人の為にこの棚があるとすれば稀少の価値ありか。
さてさて誰からニーズ調査をしたのやら。
私はといえば、ごま油もマヨネーズもカレールウも日本から
いつも持ち帰る品ではあるが、こんなに高くてはまず買えない。
醤油がシンガポール製キッコーマンでなければいいのに。
野菜や果物を筆頭に、食材には極めて満足の私も、
調味料類はやはり日本製にこだわる。

衣・食・住・遊・学、揃って別天地

このショッピングモールの後方に
35階建のマンションタワー(Residential Tower)が4棟そびえている。
実はこのエリア、有力不動産業者が組んで立ち上げた
複合開発プロジェクトによる新都市で“South City”と呼ばれている。
プールやジム、屋内外のスポーツが楽しめる“South City Club”に、
学校“South City Academy”まで、やがて全容を現わすらしい。
1600戸が入るマンションタワーは、ネットで設備や間取り・価格が公開され、
申込状況も日々メンテされている。
上層階の3LDKタイプで1,040万ルピーくらい(約2,600万円)、
こちらでは相当な買い物である。次々に暮らしのamenityを手にいれ、
西欧スタイルに染まっていくリッチ層は確実に増えている。
エアコン完備のモダンなしつらえで暮らし、職場とは車で行き来し、
買い物・娯楽もこのエリア内で楽しめる、
喧噪の世界に触れずにいられる別天地なのかもしれない。
そこに投入される資金は地元だが、設計・施工・監理から
管理運営ノウハウの提供には、米国やシンガポール、
南アフリカなど世界中の企業が参画している。
商業施設の設計で国際的な実績のある南アフリカの
Bentel Associates International (BAI)は、
完成したSouth City Mallの他にインドで50ものプロジェクトを抱えているとか、
そんなにも“美味しいインド”なのだろう。
一向に変わらない“都市のスラム化現象”と対極の“近代化”である。
South Cityのディベロッパーは、このショッピングモールの収益で、
州政府へ毎年10億ルピーの税収という貢献ができると豪語しているが、
その皮算用やいかに。人出はあるが物見遊山も多く、
ブランドショップについては、早晩撤退組も出てくると私は見ている。
仮に目論見どおりに利益をあげても、そのお金、
やっぱり“天”の部分で回転するのだろう。
近くには、ごく当たり前にスラムもあり、
ゴミの集積場では人と犬とカラスがめぼしい獲物をあさっている。
富と貧の自然な(?)共存、That's India。


ゴミ集積場のゴミの山であさる人と犬とカラス

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