笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
「遂に、来なかったなァ」

「エッ、誰がです?」

「いや、人じゃない。国の叙勲の通知だよ」

「じょくん? あの、勲章貰える」

「そう。そろそろ来ても良さそうなのに」

「アッハ アッハ アッハ アッハ アッハ・・・
涙が出て来た。アッハ アッハ アッハ。
何考えてるの! 気は確かなの」


「そんなに笑うなよ。
あのな、わしが期待してるのは、ワンワンパトロールを10年も続けて、
地域の安全に貢献して来たから、勲章ぐらい貰ってもいいかなと思ってんのさ」


「ワンワンパトロール! チビ丸連れて、毎日ご苦労様ですよ。
チビ丸もすっかり老犬になりましたしねェ」


「だから、チビ丸が元気なうちにもらいたいんだん」

「そうよねェ。人間より、ワンちゃんに頂けたらいいかもね」

「人より犬にか! そうだ、そうだよ。
地域に貢献した生き物を表彰する制度が欲しいね」


「そりゃそうですけど、勲章より、おいしい肉や魚の方が喜ばれるでしょうね。
それと、生き物全体となると、大変な数になるでしょうから、
カエルやカブト虫などは後回しにして、犬から始めて、
1年ごとに一つ二つ種類を増やして行けば、
百年以内には、何とかなるんじゃありませんか」


「ひどく大げさになってしまったな。
一気に国の制度に働きかけるより、
取り敢えず、町内会長に相談してみよう。
自分の勲章は、もう、どうでもいいよ」


「それがいいでしょうね。
それでも時間がかかるようだったら、
チビ丸の誕生日がもうすぐですから、
おいしい肉料理を食べさせてあげましょうよ」


今年もまた、終わろうとしている。
なにもかも飲み込んで年が過ぎ、来年へと続く。
小さな小さな願望や幸せが、
出ては消え消えては出しながら時は流れる。



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