笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
「みんな揃ったか、じゃあ、始めよう」

「課長、凄いお寿司ですね」

「あぁ、時間が長くなると思ってな。夕飯のつもりで遠慮なくつまんでくれ。
 今日はな、全部の課が一斉に会議をしてるんだ」


「何があったんですか」

「今日、会長がな、3年後に、広告代理会社創立20周年を迎えるにあたって、
何か、ぶっ飛んだアイデアで、でかい事業をやりたいとおっしゃるんだ。
来月の文化の日に社内コンクールをやって、
トップ当選の案に全社一丸になって取り組むと云われる」


「エェーっ、こりゃ負けられませんね」

「今日は第一次の素案作りとして、少しずつ固めて行くことにする。
だから、いろいろ問題があっても構わずにどんどんアイデアを出してくれ」


・・・それから、ワイワイガヤガヤ、パクパクモグモグ。
これはどうだ、こんなん凄いぞ、ワッハハムチャクチャ云うねぇ。・・・
2時間経つと、急にアイデアが出なくなった。みんな頻りにメモを見ている。

頃合いを見て、課長がまとめに入った。

「いやあ、とにかく沢山出たね。みんなご苦労さん。
ところで、その中でも、五十嵐君の宇宙クジってのは、
まったく類似のものが無いし、飛び抜けて新鮮なアイデアに見えるよ。
今日は、この案について、もう少し確認しておこうか。
五十嵐君、ポイントを要約してくれたまえ」


パチパチパチパチ

「ハイ、わかりました。
僕は、3年後に、日本に何か大きなイベントがないかなって考えたんです。
然し、スポーツ分野は、新鮮味を出しにくいんで、
先端科学で考えたら、月面の有人着陸が、
ひょっとすると、商業的に実現するのではと期待したんです」


「そうだよね、月がもう一度見直されているしね」

「それで1回の宇宙飛行で、操縦士と2人ぐらいの客が行けないかなってね。
技術は進歩するだろうけど、問題は費用。
宇宙船は何度か使うとしても、さっぱり見当が付きません。

でも、客側で考えると、1000万円なら希望者も多かろうが、
2人で2000万円の対価では、運航の費用全体にしたら、
少な過ぎるんじゃないかな。

そこで考えたのが宇宙クジなんです。
広く発行すれば、大きな金額が手に入る。
そして、クジの当選者には、宇宙旅行の権利を与える事にして、
実際の費用は自己負担にする。

何より強調したいのは、命がけの旅行ですから、生きて帰るには、
すごい強運の持ち主でなけりゃなりませんよね。
クジ引きで何十万分の一を引き当てる強運の人なら、
その資格がありそうに思えたんです。

もちろん、健康や年齢の条件があるし、
事前の訓練にも耐えられなければなりませんけどね。

万一、当選者に事情が出て、辞退することになっても、
賞金をもらった訳でなく、権利の返上だけなので、金銭トラブルはありません」


「なるほど、クジによる収入と、強運が大きなポイントだね。
いや、ありがとう。じゃあ、今日はここまでにして、
来週、問題点を洗い出そう。
それから、今日の情報は、一切、社内、社外ともマル秘だぞ


パチパチパチパチ



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