笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
「あきれるよ。ミステリーだよ」

「エッ? なにかあったの?」

「いやー、それにしても・・・。
いやね、ここからちょっと行った角の家が、今、解体されてるよね」

「ああ、大きな屋敷だよね」

「昨日、そこを通りかかったら、道端に積み上げられた土砂と一緒に、
とんでもない物が捨てられていたんだ」

「大金の入った金庫でもあったんか?」

「少し考えがさもしいな」

〜〜〜 ハハハハ 〜〜〜

「聞いて驚くなよ。なんと、立派な額に入った大きな賞状が、
そのまんま捨てられてるんだ。
しかもそれは、堂々とした国印入りで、○○に、勲○等旭日○を授与する。
内閣総理大臣○○って、認めてあるんだ」

「ドヒャー! そんな話聞いたことないな・・・。
裏に、何かあったんだろうが、なんとなく、淋しい話だよね」

「ほんと、何があったんろね。そんな大事なものを粗末にして・・。
ご主人はかなりの歳で、おととし亡くなってから、
奥さんの一人住まいになってたよね。それにしても」

二人は急に黙りこくって、あれこれと想像を巡らせていましたが、
口には出せませんでした。

「どんな事情があるにせよ、これから幸せに過ごされるように祈ろう。
話のついでに、私の、おとといの泣ける話を紹介するよ。
全然、別の話だけど」

「凄いことがあったんかね」

「ハハハ。実はね、私は定期的に歯医者で診てもらってるんだ。
それでおととい、待合室で待ってると、
診察室から、治療を終わった幼稚園ぐらいの男の子がワーワーって、
大泣きしながら出て来たわけよ」

「子供にゃ、歯医者は怖いよ」

「物静かなお母さんが、優しくたしなめても、
勘定を済ませる間も、ずっと泣いてるんだ。
お母さんが、じゃあ、おいとましましょうって云って、
子供も泣きながら靴を履き終わると、
その子が、くるりとこちら向いて、
ワーンワーン、クックック、サヨナラ、ワーンワーンって、
泣きながらさよならしてくれたのさ。見ず知らずの私に!」

「ヒャー、可愛いねェ。抱きしめたくなるよね」

「よほど躾がしっかりしてんのかな。
それにしても、そんな話も聞いたこと無いな。
いじらしくて涙が出るよね」

〜〜〜 ハハハハハ 〜〜〜

「でも、いい話だったね。その子も逞しく育って欲しいね。ホント」



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