笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
「今日も、皆さん、お疲れ様でした」

「また来週、お会いしましょう」

声を掛け合いながら、グラウンドゴルフクラブのメンバーはそれぞれ帰路につきました。

陽は頂点に在り、気温は30度を遥かに越しているので、
高齢者の多いメンバーの万一を慮って、今日は予定より30分も早くお開きになったのでした。

木陰で、吹き出す汗を頻りに拭っていたMさんは、
なんとなくGさんを思い出しました。

Gさんは女性ながら暑さに強く、とても元気に皆とプレーを楽しんでいたのに、
長い間の腰痛が悪化して車イスの生活になってからは、
家族に迷惑をかけたくないと、
今は、ケア付きシルバーマンションに住んでいます。

<そうだわ、しばらくご無沙汰しているから、今から、会いに行ってみよう>

      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ホームで、車イスのGさんに会った時、Mさんは、本当に驚きました。

おそらく、暗い雰囲気で老け込んでしまっただろうGさんを、
どうやって慰めようかと考えていたのに、
車イスのGさんは、顔色も良く、
にこやかな笑顔は、とても85歳には見えません。

「お久しぶりです。Gさん、あれー! どうしたんですか! すっかり若返えられて!」

「あら、そうお。ウッフッフ。みんなにそう云われるのよ。
 そりゃね、ここに来て分かったんだけど、
 ここはみんな親切で、食事もおいしいし、
 温泉だってあるし、意外と快適なんですよ。
 それに、毎週なんかのイベントもあって、退屈しませんしね」

「それは良かったですね。でも、それだけで、そんなに美しくなられるとは・・・」

「ウッフッフ。実はね、これは内緒ですよ。
 私に、好きな人が出来たんですよ。アハハ。そんなに驚かないで・・・。
 アッハッハ。相手は上品なインテリで、私より五つ年下。
 毎日、会うたびに胸がときめくのよ。アッハッハッハッハ」

      〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

帰り道で、Mさんは、つくづく思うことがありました。

<Gさんはお金持ちだし、なんでも自由に出来る人なのに、
家に引きこもって、女王の様に振る舞ったのでは、周りが大迷惑するだろう。
だから、いまの所を選んで、人との交流を楽しむようにしたんだろう。
見事な終活かも。
広い心で、前向きに生きるGさん。
素晴らしい終活が、長く長く続きますように>



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