笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
「ここに、ゴミ落ちてるわよ。 スポットにするから、しっかり取ってね」
「あなた、もう、そこはいいわよ。何度も拭かなくていいから、ドックに戻りなさい」

二つの掃除ロボットの動きを、
新聞読みながら時々目配りしていたレイ子さんは、
近所でも評判の美人エンジニア。

仕事が忙しいので、つい家事は手抜きになり、中でも部屋掃除は大の苦手。
あれこれ考えた末、二つの掃除ロボットを、大枚はたいて買ってみた。
一つは、ごみやチリの吸い込み用で、
形が丸いから、MARU donと名付けた。

もう一つは、雑巾がけや拭き掃除担当で、
形が四角なので、KAKU don。

働かせてみると、なかなかの掃除上手で、その動きも面白い。
階段を転げ落ちないかと心配したが、さらりと避けて動き回る。

今では、レイ子さんは、二人のdonが家族のように思えて、
出勤する時、帰宅した時、行ってきます、ただ今、の挨拶が普通になっている。

こんなレイ子さんが、最近、ちょっと気になりだした。

こんなハイテク商品が、暮らしを楽にするのはとても素晴らしい。
ところで自分は、理学部を出て補聴器の会社に入ったら、
耳穴に挿入するタイプの商品開発グループに編入されたが、
そこでは、顕微鏡無しでは出来ない回路組み立てや、販売店が、
お客の耳の穴の形を、特殊なパテで写し取って送って来たモノを元に、
3Dプリンターで再現造形する仕事などががあった。
自分は、女性の繊細な指さばきを期待されて、造形の担当になっている。
耳穴の形に再現されたモジュールの、小さな空間にマイクや回路、
スピーカー、電池などを詰め込むので、
一つ10万円以上するハイテク商品だから、すごく緊張する。
まあ、こんなことで、自分だって、今はハイテク族の一員みたいだけど、
省りみて自分の好きな “どん” は、カツ丼、親子丼、うどんなんかなのよね。
クフフフ。
このまま惰性で生きて行ったら、いつの間にか自分が、
次々出てくるハイテク商品に置き去りにされるかもしれない。
それは嫌ね。
もう一度、気を引き締めて、いろいろ勉強しよう。
その為にも、心強い味方が側に居て欲しいなあ。
結婚しようかなぁ。
沢山の男の子が色目を使って来るけれど、ぜーんぶ気に入らない。
なんか、スケールが小さいのよね。
そうだ、今年は、ハイテクの分野で、
世界に夢を届けようと頑張ってるパートナー探しをしてみよう。
世界的な夢を一緒に叶えられたら素晴らしいじゃない。
なんか、ワクワクドキドキして来た!




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