笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
なんと、だだっ広い所なんだ。
遥か彼方に林が連なり、その向こうに形の良い山がいくつか見える。
陽射しもそこそこで温かい。

「レッツゴー」

この一声で家族全員が、バラバラと走りだした。
見ると、それぞれがゴーカートに飛び乗り、
爆音を轟かせて走り去って行く。

「オーイ! 待ってくれー!」

取り残されて周りを見るが、ゴーカートはどこにも見当たらない。

「困ったな、どうしよう」

オロオロしていると、草むらから巨大なライオンが、たて髪をそよがせて、
のっそりと現れ、こちらへノソリノソリと近づいてくる。

「オイ! わしは餌じゃないぞ! 寄るな! 寄るな!」

ライオンは無表情のまま、真ん前まで来ると、
くるりと向こうを向いて腹這いになった。
恐怖のあまり身動きできずにいると、
ライオンが振り向いて、早く背中に乗れという様子を見せる。

心臓がドキドキして今にも張り裂けそうだったが、
覚悟を決めて、恐る恐る背中にまたがった。
すると、ライオンはスックと立ち上がり、
ゴーカートを追って草原を矢の様に走り出した。

オレは、振り落とされまいと、
たて髪にしがみついているのがやっとだった。
急に歩みが遅くなったので周りを見ると、
どうやら小高い山のてっぺんに駆け上がって来たようだ。

「こっちよー、早くいらっしゃいよー」

みんなが、てっぺんあたりで手を振っている。
ライオンはいつの間にか居なくなった。

ヨッコラショと、そこへ行ってみると、なんとなんと、
みんながパラグライダーの装具を着けているではないか!
孫はママと一緒の二人乗りの格好をして喜んでいる。

「こんな危ないことは止せ止せ!」

制止する間もなく、ピューッと向かい風が来て、
一人づつチョンチョンとつま先立ちでタイミングを計ると、
サーッと空へ舞い上がって行く。

「今度は空かぁ。どうしたらいいんだ」

不意に大きな影が頭上に広がったと思うと、
なんと、横には空飛ぶ象のダンボが座っているではないか!

「ヒャー! こりゃいいね。よろしく頼みます!」

背中に乗るとフワリ、スイーッとダンボが舞い上がり、
パラグライダー組を追った。
眼下には広々とした林や畑が見え、
一直線に伸びる道路や山や川をいくつか超えると、
茫洋とした海が見えて来た。

岬のあたりで降りてみると、突き出た展望台で、
またまた、みんなが手を振って呼んでいる。
そこでは、海が左右にバーンと広がり、みんな「凄い凄い」を連発。

「凄いでしょう。ここは“地球岬”と云うんですよ。
 名前にバッチリの景色でしょう!」

「ホントだね!見事だよ。
 ・・・アッ、あそこに幸福の鐘というのが吊るしてあるね。
 みんなのために鳴らしてくるよ」


――― カーン  カーン カーン ―――


澄み渡った空と海に、心地よく鐘の音が響く。


――― カーン  カーン カーン ―――


鐘の音で目が覚めた。白々と朝になりかかっている。


妙に生々しい夢を見たなあ。ハハハ。
そうか、ゴーカートもライオンもパラグライダーもダンボも、
今度の北海道旅行で立ち寄ったリゾートパークで、
出会ったものなのに、印象深かったんだなあ。

それにしても、この旅行で家族の絆が、うんと強くなったし、
みんなの胸にも、幸せの鐘の音が沁みこんでいることだろう。

これからも、みんな、幸せにな。



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