笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
「オーッ! すごいな! 来るたびに、草花が生い茂って、玄関周りなんか、まるで花畑じゃないか」

「うん。肥料をたっぷりやったら、こんなになった」

「フーン、このカーネーションなんか、
茎から分かれた枝が地面に付いて、そこで根を張ってるようだな」


「うん、そんな風に大きくなったのが、他の花に何種類もあるから、全体がこんなに生い茂った・・・。
 あれ? 急に黙り込んで・・・。 何か心配事でもあるんか? まあ、中に入れよ」


 ― ― ― ― ― ― ― ―

「実はな、オレもこの歳になってみると、周りに誰も身寄りが無いのが、
たまらなく寂しくなってな、時々、不安でたまらなくなるんだ」


「フーン。そりゃ、淋しいよな・・・。やっぱりシルバーホームに入ることになるんかなあ。
 お前は金持ちだし,良いところに入れるだろうが」


「ああ、現実的にはそうだろう。だがな、悩んでいるのは別の事なんだ。
今の家を離れたら、これまでの色々な付き合いが切れてしまって、シルバーホームの中で、
どうってことのない会話や、面白くもない行事に参加する程度では、
気力も無くなって来て、ボケるのも早いんじゃないか」


「それは本当だろうな。さあて、どうしたもんかな・・・、
 うーん。!!うん、そうだ、草花の繁殖で行こう」


「なんだい、そりゃ?」

「さっき、庭で見たろう。長い枝が、元から離れた所に着地して、
そこで根を張っ生き生き伸びる、あれだよ。
おや?、まだ腑に落ちん顔してるな。
こういう事よ。お前は、短歌や俳句の付き合いが長いから、
今、会の代表幹事してるそうじゃないか。
これだよ、これを今までの根っこと考えて、
今度は、横に伸びたシルバーホームに着地すると考えればいい」


「ああそうか、新しい土に出会ったと考えるんか。
そうか、そこで、仲間ができるように、易しい句会なんか出来ればいいな。
初心者には、言葉遊びなんかしたら、楽しんでもらえるかもな」


「その調子だ。そして、年に何回かは、どこかで食事会したらいい。
これで、お前も句会の現役を続けられるぞ」


「いやー、ますます希望が湧いて来たな。ありがとう。
今日は、草花にまで教えられたし、ここに来て良かったと思うよ。気分も大分楽になった。
今後もよろしく頼みます」




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