笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
テーブルにシルバーメンズ5人。ランチ後のコーヒータイム。

「じゃあ、来週は日帰りのバス旅行とするか」

「賛成だね。―― おい、山尾君も、それでいいだろう?」

「あ、うん。そうしよう」

「なんや、気のなさそうな返事だな。
それより、さっきから時々、思い出し笑いらしい顔をしていたが、
なんか、あったんか?」


「エーっ、そんな風に見えたか! すまんすまん。
実はな、昨日、市民病院の歯科へ行って来たんや。
そこで、ちょっとした事があってな、思い出すたんびに、
恥ずかしいやら可笑しいやらで---- ウッフッフッフ」


「気持ち悪い奴やな。何がどうしたってんだ」

「いやー、格好悪いけど、まあ、聞いてくれ。
とにかく、オレは、診察室の前の待合ロビーで順番待ちしてたんだ。
長い間待って、そろそろかなと思ってたら、
ヤマオさん、どうぞ診察室にお入りくださいって、声がかかったんや。
それで、ハイって大声出して立ち上がったら、
もう一人、若い女性が立ち上がったんや」


「おんなじ名前が二人いたのか」

「いいや、看護師が大声で、ヤマノシズコさん、どうぞって、もう一回叫んだから、
ありゃ。聞き間違いかって、座りなおしたんだ」


「そんなの、どこにでもある話やないか」

「それがよ、あそこは、歯科の前が産婦人科だろう。
呼び出だした看護師は産婦人科の人だったんだ」


「ワハッハッハ。お前のメタボ腹だったら、産婦人科で診てもらえそうだしな」

「ワッハッハッハッハッハ」

「座りなおして周りを窺うと、上目使いにこちらを見たり、
笑いを押し殺してる人もいて、ますます恥ずかしくなったが、
そうは言っても席を替わればますます目立つし、いやあ、まいったよ」


「だんだん、滑稽な状況が浮かび上がってきて、こりゃ笑えるなあ。
産婦人科の呼び出しで、出っ腹のおじさんが立ち上がったら、
まるで喜劇の舞台だよな。ワッハッハッハッハ」


「いやあ、山尾君、ごくろうさまでした。ワッハッハッハッハ」



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