笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
浩野さんの50歳の誕生日には、5人の子供達も集まって、
家族水入らずの誕生パーティが開かれました。
上の3人は、東京と栃木から久しぶりに来てくれたので、
それだけでも幸せ一杯の雰囲気でした。

「お父さん、おめでとうございまーす。
これからも元気で頑張ってください」

パチパチパチパチ

「おぅ、ありがとう。お前達も元気で何よりだな」

「ともかく乾杯しましょうか」

「カンパーイ」

「カンパーイ」

「ところで、今年は、特別に凄いプレゼントを準備したんですけど」

「ほう、そりゃなんかな。ハハハ、楽しみだな」

「じゃあ、いきまーす。これでーす」

子供達は、クルクル丸めた大きな紙を、
ゆっくり、ゆっくり、もったいぶって広げて行きました。
見ると、そこにはワゴン型の商用車の写真が、大ききく貼られています。

「ウヒャ、これがプレゼントかい? ホントか? 凄いな!」

「まあ、車種はお任せしますが、
 どうぞ、一番気に入った物を選んでください。
 お金は自分達で準備しますから」


「ますます申し訳ないな、なんだか泣けてくるな」

「今の車は10年以上乗ってるんでしょう。
 ガタガタになる前にどうかと思ったんです」


「おとうさん、そんなに涙見せないでくださいよ。
 この子達もみんなしっかりもんだから、
 ちゃんと考えていてくれてたんですよ」


そういうおかあさんは、宝物でも見るような目つきで、子供達の顔を眺めました。
浩野さんのパーティは、いっぺんに賑やかになりました。
・・・パクパク モグモグ ゴクゴク ペチャクチャ・・・

あくる日から、浩野さんは仕事の合間に、
カーショップに何軒も電話して交渉を始めました。
候補を2車種に絞って試乗もしました。

その結果、今では、浩野さんはすっかり冷静になってしまいました。
それは、今使っているバンは、ガソリン車でエンジンも小ぶりですが、
車重が軽いので、それなりに走りますし、まだ使えそうです。
今回は、同じようなものが無いので、少し大きな車種を選んでみましたが、
ガソリン車では、車重に比べてエンジンパワーが不足したり、
パワーのあるディーゼル車では、以前より改善されたとはいえ、
振動や騒音が大きくて、長い付き合いは出来そうもありません。

それに共通して燃費がとても悪いので、
いかにもカーメーカーは、どうせ燃料代は経費で落とせばいいだろうから、
乗用車のように大改良をしなくてもいいだろうと
考えているのではと感じられるほどです。

浩野さんは遂に決心しました。
買うのは止めよう。
子供達にはしっかり説明すれば理解してもらえるだろう。
車の絵は大事にしまっておこう。
せっかくの親孝行を踏みにじりたくない。
いつか、いい物に出会えると信じたい。
そして、子供達が用意してくれたお金は、
子供達の将来のために、蓄えとして残しておこう。
今の車には愛着もあるし、もうひと頑張りしてもらって、
なにかの都合で、どうしてもほかの車が必要な時には、
レンタカーで凌げばいいじゃないか。
リースという手もある。

中途半端なものには騙されんぞ。
子供達も正道を歩んで、パワー全開でドーンと行ってくれ!
今年も勝負の年だ!



▲このページのTOPへ