笑・プラザ


OKADA'S BACKNUMBER
「ねェ ジョッグがひとりじゃかわいそう。だれか一緒に入れて」

まだ、死の意味をよく知らない5歳の少女ポレットが、愛犬ジョッグの亡骸を
水車小屋に埋葬する時、仲良しの男の子ミッシェルに話しかける。

それから二人は、小動物の死骸を集めて埋葬しては、
墓場の十字架を盗んできて立てる遊びに熱中する。

映画「禁じられた遊び」は、自分の両親を空爆で失ったポレットが、
頼りにするのはミッシェルだけという状況で始めたこの遊びを通じて、
生けるものは群れていなけりゃ淋しすぎるだろ、
死の世界だっていっしょだよって訴えているのだろうか。

未来ロボットの人工知能は目覚しく進化し、デイヴィッドと名づけられた少年ロボットは、
遂に、人間の持っている愛を感じ、人に愛を捧げることが出来るようになった。

やがてデイヴィッドは最愛の息子を失ったモニカと出会い、
彼女に喜ばれようと、ひたすら尽くす日々を送っていたが、
ある日、モニカが、冷凍保存しておいた息子の蘇生に成功してからは、
人間とロボットの二人の息子の愛情の板挟みの苦しさに耐え切れず、
泣く泣くデイヴィッドをロボットの墓場に放棄する。

デイヴィッドはモニカに会いたい一心で、ピノキオのように人間になれれば
モニカも自分を愛してくれると信じ、何世紀もの長い長い旅に出る。
映画 「A・I」 の語りかける愛は、純粋でひたむきな愛を捧げる側と、
それを受ける側の心の負担についても踏み込んでいる。

愛と死。これはとても遠い距離に位置するものかもしれないし、
隣り合わせにあるものかもしれない。

「フーン。今度はえらく哲学的な話しになったなあ。長雨のせいかな」

「愛も死も、映画なら、ほんとに誰にでも起りそうなリアル感があるな。
 フンフン。一方的に愛を捧げても、それが強すぎたら、
 相手が迷惑するってのも当たり前だよな。
 愛には、満腹中枢のようなものがあるのかも知れん」


「アハハ。『禁じられた遊び』で思い出したが、
 うちの墓地公園では、せっかく立派な墓を建てたのに、
 最近になって、持ち主と連絡が取れなくなってるものがいくつかある。
 墓地の管理人が困っているそうな。
 ひょっとすると、長い不景気のせいかな」


「墓放棄では、生きてる人間と亡くなった人との絆にもヒビが入るよな。
 あの世で懐かしい人に会うのも出来にくくなるなら、ちょっと悲しいな」


「死を覚悟した末期がんの人には、本当に優しい人がいるねえ。
 この世に最後に残すのは、感謝と深い愛だということだね。
 これなら後の人の心の中に残るから、墓が無くてもいけるんじゃないか」


「いずれにしても、愛とか死とか、こんな深いものは、
 我々のような凡人がとやかくいうような軽いものでないのは確かだよな」


「まあ、うちのポッターは、誰にも尻尾振って、
 ムチャクチャ体をさすってもらって喜んでる。
 純粋な愛情交換は最高だな。アハハハハ」


「ワハハハ、うちんとこはな、女房殿がしっかりしてるからな、なにかにつけて、
 グジャグジャグジャ・・・って説教されっぱなしよ。
 そして決まって最後に、ワカッタ!って気合を入れられる」


「ワーハハハ。 そりゃ最高の愛情表現だろうが。お前をいつも気遣ってる証拠だろうが」



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