笑プラザ


やっと終った時、みんな一斉にフーッと息を吐き出すと、
肩を叩きあって労をねぎらいあいました。

この小さなライブスタジオで、5分の曲を収録するのに4時間もかかったことになる。

「私、これまでシャンソンたくさん歌ったけど、こんな重い暗い歌やったのは初めて。
 すっかり疲れちゃった。
 親友の娘のエリちゃんが作った詩を小学校の先生が読んで、
 すごく感動して、曲を付けてくれたんだけど、
 歌ってみたら、すっごく難しかったんで、何度もやり直したから、
 皆さんにご迷惑をおかけしました。ごめんなさい。
 それにしても、エリちゃん、生まれつきの心臓異常で、
 小さなときから何度も手術して、寿命は15歳ぐらいといわれていたから、
 頑張って、いま18歳になっても、心臓は治らないし、かわいそうよね。
 あ、どうぞケーキも召し上がって。

 そうですよね、生活が車椅子とベッドのせいか 詩の内容が暗いわね。
 人が健康だったり、大人になったり、美しくなったり、幸せになったり、
 こんなことぜーんぶ人に平等じゃない。
 平等なんてそらぞらしい言葉を言わないでって本音でいわれたら・・・・。
 でもね、わたしたちが苦労した分、エリちゃんは喜んでくれて、
 きっと、命が延びるんじゃないかしら。そうあって欲しいわね」。

その通りでした。後日、できあがったCDにエリちゃんがやる気を出して、
多くの人に聴いて欲しいからって、自分で「You tube」にアップしました。
チャンネル番号はAKUA9969。曲目は「平等」。

それにしても、平等ってなんでしょうね。
エリちゃんは、自分の世界から外を見て感じたことをそのまま詩にしました。
誰だって、不都合なことが起きれば、
なんで自分だけこんなことになるのかって考えますよね。

エリちゃんが、そらぞらしいって表現した言葉の意味はとても重い。
ともかく、当事者の深い苦しみに対して、
第三者は、もっともらしい気休めなど言うべきではないでしょうね。




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