笑プラザ


賑やかな新年会の空気が一変しました。
久しぶりのヤァヤァの集まりなので、お互いに近況報告するうち、
少しやつれた顔の宮前さんが、実は・・・と口ごもりながら、
皆さんにも参考になるだろうと思うのでと話し始めたのがきっかけでした。

「実は、家内がまったく予想もしない病気に罹って、
 大きな手術をしたんです。今、東京の病院に入院中なんですけど・・」


「エエッ! 宮前くん! こんなとこに居て大丈夫かいな・・。どうした?」

「ありがとう。なんとか生きているから安心してください。
 説明しますと、病名は大動脈瘤って言うんです。
 なんでも、心臓から押し出した血液を体中に配るための幹線道路で、
 太さが3センチぐらいあるほど太いもんが、
 心臓から へそ の辺りまで伸びてるんだそうです」


「ヘェー!! そんな水道管みたいなもんがあったんかいな!」

「びっくりするでしょう? それが一部分だけ、
 どんどん太くなって こぶ のように見えるのがこの病気ですね」


「こぶになったら血液が止まるってわけ?」

「いいや、パイプが太ってくるだけで、血液はどんどん流れますよ。
 問題は、こぶが自然には治らないんで、むしろだんだん大きくなるらしく、
 いつかは破裂して一巻の終わりってことになるそうです」


「恐ろしいなあ。そんな病気、よく見つけたなあ。
 どうしたらいいんか教えてくれよ」

「自覚症状はまったくありませでしたが、定期的な人間ドックで
 エコー検査した時に、影が少しおかしいと分かって、精密検査したら、
 太さが5センチ以上にもなっていて、
 日本で有名な心臓外科の病院を紹介して頂けたんです。
 そりゃもう、あたふたと大騒ぎして東京へ駆けつけたんですがね、
 新幹線の中でも、胸がいっぱいで、
 とにかく無事に辿り着きたいってばかり考えてましたけどね」


「そりゃそうだろう。それで手術は成功したってわけだね」

「おかげさまで。長い時間かかりましたが、
 切り取って人口血管に置き換えたんで、今は経過観察しています」


「フーッ。良かったねェ。めでたい、めでたい。
 それもこれも奥さんや君の行いがよかったからだろうし、すごく強運だねェ」

「皆さんも、エコー検査ではしっかり診てもらったほうがいいと思いますよ。
 つまらない話で失礼しました」


「そんなことはないよ。大いに参考になりました。
 じゃあ、みなさん、宮前さんの奥さんの健康回復と、
 これからも みんなますます元気で行けるように、
 あらためて乾杯しましょう。カンパーイ」

新年会は、勢いを盛り返し、最後のカラオケでも、
珍しく、下手は下手なりに大声を張り上げて手拍子賑やかに終わりました。
歌は騒ぐためにあり、元気を引き出すためにあるという
真理が証明されたようなもんです・・・。
・・・という解釈は少し違ったかもしれません。
みんな、自分はそんな病気にならずに済んだという安堵感と、
一方で、調べていないからなんとも言えないっていう不安感が同居して、
今だけでも歌って騒がなけりゃ気がすまんという想いが募ったのかもしれません。
頼りは運、強運。やっぱりねェ。




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