介護の現場から


今年は大きな災害が多く、驚きと何とも言えない思いの絶えない年です。
災害に遇われた地域の皆様の、少しでも早い復興を望みます。

今月は、とある女性Aさんの事をお話したいと思います。
Aさんは、ご主人とお二人暮らしで、
ご主人の介護を受けながら在宅生活を過ごされていました。
サービスは何も利用されていない、軽度の認知症の方です。
ご主人からお買い物を頼まれると、
五つの商品中三つくらいを買って来られる様な方です。
何事にも、ご主人からの声かけを必要とされていたのですが、
介護者であるそのご主人が体調を崩され、Aさんへの声かけも辛いと思われる様になり、
介護老人保健施設をご利用される事になりました。
ご近所付き合いもされない様なAさんでしたが、
ご家族が驚かれるくらい他のご利用者とお話もされ、
活気ある施設生活が過ごせると思っていました。
ところが、一ヶ月が過ぎた頃から夕食後他のご利用者と共に徘徊をされ、
夜中には洋服を脱ぎ捨て廊下で眠ったりされる様になりました。
日中にお話をすると会話が成立し、その出来事の理由も言われるのですが、
周りのご利用者にはご理解頂ける内容ではなく、
徐々に他のご利用者との関係がぎくしゃくとしてしまったのです。
ご本人は、自身が分からなくなって行く恐怖感と他のご利用者からの視線に、
とても気落ちをされました。
そこで、ご家族と施設で話し合った上、
認知症の方々のフロアに移動する事になりました。
軽度の認知症の方については、物事の分かっておられる面を大切にしながら、
ご本人の意欲、自尊心を傷つけない配慮がとても重要だと思います。


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