父・鴻巣一善の絵

鴻巣 理



少女

作者:鴻巣一善
題名:「少女」
形態:
材質:
画面:幅約150cm、高さ約180cm
作年:1960年代
目録番号:G13(仮)



昭和30年代以降、
父は時々大きな絵を頼まれるようになった。
地方にもいわゆる「はこもの」が
盛んに建てられるようになったからであろう。

何点か農作業の情景を描いているが、
その中の一つがこの絵で、
郷里新鶴村の公民館のロビーに掛けられている。

農業が機械化されてしまった現在では
見られない光景かもしれないが、
秋の刈り取り後の落ち穂拾いを描いている。

この少女の持っている小さな籠は
この地方で「はけご」と呼ばれているもので、
腰に括り着けると両手を自由にできるので、
いろいろな農作業の中で便利に使われている。
 
苦労して育てた米だから一粒も無駄にできない。
それぞれがこのはけごいっぱいになるくらい
一生懸命に落ち穂を拾う。
子供達も動員である。

藁の匂いのする秋の広い田圃で
大人に混じって作業することは
子供達をたくましく健康に育ていたように思う。
最近はどうだろうか。

寒い地方に育ったことの象徴である
この少女の頬の赤みは、
同じ土地で子供時代を過ごした者に
そこはかとない郷愁を誘う。



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