父・鴻巣一善の絵

鴻巣 理



節句雛(仮名)

作者:鴻巣一善
題名:「節句雛(仮名)」
形態:掛け軸、絹本
画面: 縦900、横715(mm)
作年: 1967年
目録番号: C02(仮)



この絵は父と母が孫娘の
誕生を祝って贈ったものだが、
現在その親である弟が所蔵している。

田舎ではこのような祝い絵を
その時々に合わせて床の間に飾ることが多い。
代々継いで来た家を心の依りどころとして、
家族、親族が幸せであるようにと
考えている証である。

昭和20年東京大空襲で
家財を焼失した父は止むなく
生まれ故郷の会津に戻ることとなった。
戦後の生活の厳しさは日本人皆が
経験したことであるが、
食糧を自作している農家の暮らしと比べると、
画家などの職にある者はそれは悲惨と言うほかない。

それでも、知り合いや裕福な農家の人達から乞われ、
高砂(尉と姥)のような祝い絵や、
十三仏のような仏事用の絵を描いて
暮らしを凌ぐことが出来た。
いまだに新鶴村にはその当時の絵を
持っている人が多く居る。

この絵は私たち兄弟が皆独立してからのもので、
意識するわけでは無いが、
見て落ち着きとゆとりを感じる。
雛祭りの月に因んで永遠の平和を祈願したい。




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